2017年2月15日に、厚生労働省から「レナリドミド製剤及びポマリドミド製剤の使用にあたっての安全管理手順の改訂について(医療機関への注意喚起及び周知徹底依頼)」の通知がだされました。
レナリドミド(商品名 レブラミド 以下レブラミド))やポマリドミド(商品名 ポマリスト)は、サリドマイドに似た化学構造をもっているため、妊婦が服用した場合、お腹の赤ちゃん(胎児)に奇形をもたらす懸念があります。そのため、安全管理手順「レブメイト」のもとで患者とその家族等、医師、薬剤師等医療者はそれらの薬を処方し、調剤し、服用し、管理しています。
そのなか、入院中の病棟において、看護師が本来服用すべき患者とは別の患者にレブラミドを渡してしまう誤投与が起きました。
それを受け、2016年8月に厚生労働省は「サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミド製剤の院内処方薬の取扱いについて」の通知をだし注意喚起していましたが、それ以降も数件の誤投与が起きたことから今回の改訂が行われました。
今回のレブメイトの改訂箇所は、薬剤師ならびに病棟看護師の手順に関するもので、患者の手順に追加等の変更はありません。
「外来で薬を受け取るのに時間がかかるのよね。書類も多いし。今回の改訂によってさらに手順が増えるのかしら?」と心配の患者のみなさんには、そのようなことはありませんので、安心してください。
患者の会は、レブメイトやサリドマイドの安全管理手順の策定当初からたずさわってきました。
サリドマイド承認から来年で10年になりますが、サリドマイドでもレブラミドでもポマリドミドでも妊娠した患者が服用することはありませんでした。これはひとえに、安全管理手順に関わる患者とその家族等・医師・薬剤師等医療者の方々がこれらの薬の特性を正しく理解し、手順を遵守してきた結果と考えています。
新たに追加された病棟看護師等の手順も正しく関係者に理解され、妊婦に誤ってこれらの薬が手渡されることがないよう、けっして服用することがないよう、胎児曝露がぜったい起きないよう、病棟関係者が高い意識でこれらの薬を取扱うことを心から願っていますし、その仕組みづくりに当会は今後もたずさわって参ります。
さいごに、多発性骨髄腫の患者のみなさんが入院中、看護師さんから別の病気の別の患者さんの薬を誤って手渡されることがないとは言えません。しんどくて入院しているわけですから、医療者のみなさんに全権の信頼をおいてゆっくりさせて欲しいと思うこともありますが、よい医療には患者の参加は欠かせません。
「speak up(声にだしましょう)」という考え方が医療安全にはあるそうです。こちらのサイトに動画が公開されています。のぞいてみてください。Let’s Speak Up!