【日本の顧問医師のコメント】
標準的な自家幹細胞移植を伴う大量化学療法の適応のない骨髄腫患者(65歳以上、またはそれ以下の年齢であっても肝、心、腎、肺に重篤な機能障害のある患者)に対する標準的初期治療はMP療法であった。しかし、このガイドラインに示されるように新しい治療剤が開発され、MP療法と併用される(MPT,VMP)ことによってCR率、PFS、TTP、OSともにMP療法を凌駕する成績が示されてきた。我が国でもサリドマイド、ボルテゾミブが健康保険で認可され、使用されるようになってきた。しかし難治、再発例にその使用は限定され、初期治療には使用できない。早急に初回治療例にも使用できる状況にしなければならない。
また日本人の患者におけるこれらの併用療法が発揮する成績も出す必要がある。標準的な自家幹細胞移植を伴う大量化学療法の適応のない骨髄腫患者が全骨髄腫患者の70-80%を占めるからである。厚生労働省当局の決断が必要であろう。