レナリドミドが再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として平成22年6月25日承認されました。
これで、欧米と治療薬のラインナップがそろいました!
レナリドミドは、平成21年6月に承認申請をだされてから1年でのスピード承認です。審査に携わられたすべての方々のご努力に、心からお礼申し上げます。
レナリドミドは、動物実験で催奇形性(妊婦が服用した薬がお腹の赤ちゃんに奇形を引き起こす作用)が報告されていることから、サリドマイドと同様に正しく薬を管理しなければなりません。そのために、レブメイトと呼ばれる適正管理手順が作られ、この遵守を承認の条件とされています。
多発性骨髄腫の患者さん、そのご家族におかれては、レナリドミドによる治療を受けるについて、レブメイトをしっかり守っていだくようお願いいたします。
レブメイトを完成させるために、国民から広く意見を募るパブリックコメントを厚生労働省が実施したところ(平成22年5月17日~6月16日)、大変多くの骨髄腫患者さん、そのご家族からご意見が届きました。届いたたくさん声によってレブメイトはより適切なシステムとなり、またレブメイト早期完成の後押しとなりました。
パブリックコメントに意見を寄せてくださったみなさま、ありがとうございました。
なお、パブリックコメントに届いたご意見は、こちらで公表されています(中段「関連情報」の「別添 寄せられた意見の一覧 pdf」をご覧ください)。
あわせて、レブメイトが、患者さんや医療現場に必要以上の負担をかけず、安全に薬を管理できるシステムになるよう、できるだけ早くレブメイトを完成させるよう努力してくださった関係者の方々に、お礼申し上げます。
レナリドミドは承認されましたが、すぐに今日から病院で処方が始まるわけではありません。まず、薬価収載**の手続きのための時間が必要です。その他に、各病院でレナリドミドの採用を決定するための手続きや、レブメイトへ医療者を登録する手続きを経てはじめて処方が可能になります。
レナリドミドによる治療が始められるまでまだ少し時間が必要ですが、他に治療法がなく、差し迫ってレナリドミドを待たれている方は、できるだけ早く治療がスタートできるよう早めに準備を進めていただくよう主治医の先生とご相談ください。
主治医の先生へどのようにお願いしたらいいか相談に乗りますので、必要な方は下の問い合わせ窓口にお問い合わせください。
なお、現在、レナリドミドの治療スタートに関して多数の相談が寄せられています。早期使用に関するご相談は、差し迫ってレナリドミドの治療をお待ちの方に限らせていただきたくお願いします。
**薬価収載(薬価基準収載)とは?
医療機関において保険診療(健康保険を使って治療を受けること。70歳未満
の患者さんなら3割負担、70歳以上の患者さんなら1割負担)で治療を受けられ
るよう薬の価格を決定すること。
保険診療によって使用できる医薬品の範囲(品目表)と、保険での支払価格(価格表)を規定したものを「薬価基準」と言い、厚生労働大臣によって定められています。医薬品は承認を受けた後、薬価基準への収載手続きがとられ、薬価基準に収載されてはじめて保険診療で治療を受けることができます。
本件に関する患者の会問い合わせ窓口
日本骨髄腫患者の会 上甲 恭子(じょうこう きょうこ)
e-mail owner-imfjapan@myeloma.gr.jp
電話 090-6908-2189
○ 参考
・薬剤の一般名 : レナリドミド
(レナリドマイドと呼ばれることもありますが、正式にはレナリドミドです)
・薬剤の販売名 : レブラミド
・安全管理システムの名称 :レブメイト RevMate(レブラミド適
正管理手順)
・製薬会社のホームページ