:よくある質問 (FAQ) 16 未治療の多発性骨髄腫患者に対するボルテゾミブの治験(治験の参加受付は終了しました)

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よくある質問 (FAQ) 16 未治療の多発性骨髄腫患者に対するボルテゾミブの治験(治験の参加受付は終了しました)

2009.06.20 [FAQ][治験・臨床試験]

 

  

未治療の多発性骨髄腫患者に対するボルテゾミブ
(製品名:ベルケイド®)の治験
<治験の対象:造血幹細胞移植の適応とならない
未治療の骨髄腫患者>

標題の治験(第 2相部分)が全国26の専門施設で実施されています。
詳しくは以下「概説」をご参照ください。
なお、治験の参加受付は2010年2月末で終了しました。

 
 
治験実施施設<参加者募集は終了しました>
<新潟・群馬・茨木>

1)新潟県立がんセンター新潟病院

2)西群馬病院

3)日立総合病院

<埼玉・千葉>

4)埼玉医科大学総合医療センター 

5)亀田総合病院/亀田クリニック
6)成田赤十字病院
<東京・神奈川>
7)NTT東日本 関東病院
8)虎の門病院
9)国立がんセンター中央病院
10)癌研究会有明病院
11日本赤十字社医療センター
12)東京都内の病院(上記「患者の会」宛てのメールアドレス又はファックスにてお問合せ下さい
13)東海大学医学部付属病院
 

<愛知>

14愛知県がんセンター中央病院
15名古屋市立大学病院
16)名古屋第二赤十字病院
17)名古屋大学医学部附属病院
18)豊橋市民病院
<大阪・兵庫>
19近畿大学医学部附属病院
20大阪大学医学部附属病院
21)神戸市立医療センター中央市民病院
<岡山・広島>
22)倉敷中央病院
23岡山市内の病院(上記「患者の会」宛てのメールアドレス又はファックスにてお問合せ下さい)
24)広島大学病院
<九州>
25)九州大学病院
26)熊本大学医学部附属病院
 
 
「概説」
2009年6月現在、ボルテゾミブ(製品名:ベルケイド®)は、「再発又は治療抵抗性の多発性骨髄腫」の治療薬として承認されていますので;
  標準量あるいは大量化学療法(抗がん剤による治療)を受けたにもかかわらず十分な効果が得られない、
  もしくは一旦効果が認められたが再発した患者に対してのみ使用されています。
 
今回実施される治験の目的は、化学療法を過去に受けたことがない未治療の多発性骨髄腫の患者にもベルケイドの使用が認められるようにすることです。
 
具体的には、まだ化学療法を受けていない、しかも自家造血幹細胞移植の適応とならない患者を対象に、標準療法であるメルファラン(M)及びプレドニゾロン(P)(以下、MP療法と略します)にボルテゾミブ(B)を加えた3剤併用療法(以下「MPB療法」と略します)を行います。
 
海外では、MPB療法はMP療法に比べ各種有効性指標が明らかに優れ、また安全性でも副作用予防対策や支持療法で概ね管理が可能という成績が評価された結果※1、2008年6月に米国で未治療患者に対する投与についても承認されました。2009年5月15日時点では、欧州など世界62カ国で投与が可能になっています。

※1: San Miguel JF et al. Bortezomib plus Melphalan and Prednisone for Initial Treatment of Multiple Myeloma. N Engl J Med 2008; 359:906-917

 


今回国内で実施する治験は、日本人に対する適切な用量を検討する第1相部分、そしてそこで決定された用量にて、海外同様にMPB療法の有効性が認められるか、また安全性が許容されるかを検討する第2相部分から成ります。
 
2009年6月現在、第2相部分を開始しています。
第2相部分では78名の患者を募集しています。この治験では、MPB療法を開始してから少なくとも最初(1サイクル目)の21日間は入院が必要となります。また、治療の効果が長期間継続して認められた場合には、最長で54週間、通院していただくこともあります。治験参加期間中のこれら3剤の費用などを含め、治験に関わる費用の一部は、治験を実施する製薬会社が負担します。
 
 第2相部分への参加可能期間は2008年5月~2009年11月頃までを予定していますが、治験の進み具合により参加可能期間を延長する場合もあります。
 

監 修 

国立病院機構 名古屋医療センター 院長 堀田 知光 先生

      名古屋市立緑市民病院       院長 清水 一之 先生