よくある質問 (FAQ) 9 家庭、病院での感染予防について教えてください
- 2009.05.23 [FAQ]
自宅での予防。 - 家族、訪問者は全員、家に入ったら、まず、手洗い、うがいをする。
- 本人も、外出から帰ったら、必ず、手洗いうがいをする。
- 石鹸は、薬用石鹸を使う。植物性のものが手が荒れなくていい。
ミューズは、頻繁に使うと、手の油が抜けてかさかさになります。 かさかさになると、細かい傷からばい菌が入る可能性がある。 - 家族と、本人のタオルは別にする。
- 本人はもとより、家族も、風邪をひかないように注意する。
- 病院などに行くときは、必ず、マスクを着用する。同時に、イソジン、小さなコップを持参し、トイレでうがいを励行。アレディアの点滴など、うがいができないときのために、お茶のペットボトルを持参し、30分おきくらいに喉をしめらす。(カテキンが風邪のウィルスを殺す効果があるとの情報によるが、実際は不明。)
- デカドロンをやると、ちょっとした傷が化膿する傾向があるのですが、バラマイシン軟膏をもらってきて、赤くなったらすぐに、バンドエイドにバラマイシンをつけて貼っておくと、ひどくならずにすみます。97年の10月は、顔のおできをかいて、これを知らず、あっという間に、顔が大きく腫れ上がってしまい、直るまでに1ヶ月も抗生剤を使いました。
- 骨髄腫の診断を受ける前に、海外出張などで疲労困憊すると、歯肉炎になることがあったのですが、Butlerのガムデンタルペーストで、歯を磨き、そのあとで、同じ、ガム・デンタルリンスで口をゆすぐようにしてからは、一度もその経験がありません。Butlerはサンスターに買収されましたので、サンスターとしても売っています。白血球が低いと、こういった歯肉炎にもかかりやすくなります。歯の問題がある方は、こういったもので問題を最小限にすることが可能です。
病院での予防。 - 先生、看護婦さん、掃除の人、お見舞いの方、全ての方に、手洗いをお願いする。一部の病院では、白血球が下がると、部屋の前にそういうカードを出してくれますので、助かります。ただ、ちゃんと見ていないとやらない人もいます(特に先生!)ので、要注意です。これは、MRSAに感染するのを防ぐという意味でも非常に大切です。
- 院内感染を防止するという意味でも、他の外来は、本当に危険です。例えば、目の上に、ちょっとした傷がある場合など、眼科で先生が直にふれたりするとそこから感染する可能性があります。
眼科の先生などは、健康な方を対象にしたやり方で診察しますので患者さんと患者さんの間で手を洗ってくれる先生はほとんどいません。もし、傷がある場合は、前もってバンドエイドを貼っていくか、理由を述べて、診察の前に手を洗ってもらいます。看護婦さんも同じです。血小板が少ないところへ、M蛋白が多くなってくると、鼻血が出ますので、耳鼻科に行くことも多くなりますが、同じ理由で、要注意です。 絶対、遠慮しないで、はっきりと言いましょう。感染してからでは遅いのです。命取りにならないとも限りません。 - トイレを共用している場合は、VREに気をつけなければなりません。VREは、腸の中にいる菌です。従って、トイレからの感染が多いのです。VREは、5種類の菌がありますが、どの菌も最低でも数週間は生きているといわれており、用を足す前、足した後、アルコールをしめらせたティッシュで便座、その周辺、手で触る可能性のあるところをふきます。
- 同じ理由で、共用のお風呂、シャワーも、要注意です。特に、脱衣かご、マットは気をつけます。できれば、自分のマット、ビニール袋などを用意し、脱いだものはビニール袋へ入れます。もちろん、上がった後、部屋に戻った時点で、手を洗うのはいうまでもありません。我々、骨髄腫の患者は、易感染ですので、ある意味で病院の中では弱い立場のものです。自分で自分を守る工夫をしなければ、容易にいろいろな菌ををもらいます。そしてそれが命取りになりかねません。
食べ物について - 白血球、1,500、好中球500以上であれば、制限は特にしていませんでした。
- 白血球、1,000近辺になったときは、お刺身などの生ものは避けます。基本的には、火を通したものしか口にしません。また、牛乳なども200ccのパックものにします。また、このころから、果物は皮に包まれたもの、例えば、オレンジなどのようなものしか食べないようにします。
- ご参考までに、無菌室の中では、完全調理された、無菌食を更に、電子レンジで加熱して出されます。水は、全て、瓶入りか、缶入りのもの、調理されていないものはなにも食べられません。
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(取りまとめ)堀之内 June 29, 2004 |