Q: 鼻血が頻繁に出て困っています。
M蛋白の量は多くありません。血小板は少なくない、鼻の検査を耳鼻咽喉科でしまし たが、目立った傷はありませんし、血をさらさらにするような薬も飲んでいません。 しかし、時々、大変多い量の鼻血がでるので、不安に思っています。原因は、どのよ うなことが考えられますか?
A: ひとつ考えられることは、このスライドのとおり、
M蛋白の量にかかわらず、血液の中で、M蛋白どうしがつながることがありまして、そうすると、 血液の粘稠度(ねんちょうど)、と言って粘り気が高くなり、鼻血が出やすくなることがあります。
これが原因で鼻血が出やすいのかどうかを調べるには、主治医の先生に「血液の粘稠度」簡単に 言えば、「血液のネバネバ度」を調べていただくとわかります。もし、ネバネバ度が高ければ、 M蛋白の量が多くなかったとしても、もう少しM蛋白を減らす治療をしてみた方がいいのかもしれません。
他に考えられることは、血液の凝固検査を受けてみられることでしょうか。出血が起こったとき、 体は、血を止めようとさまざまな機能が働くのですが、そのさまざまな機能のバランスがきちんとと れているかを調べる検査です。まれに、出血を止めるための物質(凝固因子)とMタンパクがくっつ いて、凝固因子が働きにくくなり、血が止まりにくくなることがあります。
これらでも異常がなければ、耳鼻咽喉科の先生がおっしゃるとおり、鼻の奥の調べにくいところに 傷があるのかもしれません。
参考にして、主治医の先生とよく相談してください。
熊本大学医学部附属病院血液内科 畑 裕之先生