:サリドマイド 薬事・食品衛生審議会薬事分科会における審議結果

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サリドマイド 薬事・食品衛生審議会薬事分科会における審議結果

konishi 2008.10.03

薬事・食品衛生審議会薬事分科会における
審議結果を受けて


 10月3日、薬事・食品衛生審議会 薬事分科会において、サリドマイドを再発又は難治性多発性骨髄腫の治療薬として承認可と議決され、厚生労働大臣に答申されることが決まりました。

     厚生労働省の発表

 この報を受け、感慨無量です。
 日本骨髄腫患者の会は、1999年からサリドマイドの早期承認と安全管理システムの早期構築を求め、厚生労働省に陳情活動をしてきました。今日までさまざまなことがありました。
 当初は、サリドマイドを製造販売しようと考える製薬企業はどこもなく、企業を探すところからのスタートでした。
 一方で、承認まで待つことが困難な多くの患者さんには医師を通じて個人輸入のサポートをしました。個人輸入で入手するサリドマイドの価格が突如跳ね上がり、驚いたのは一度ではありませんでした。
 サリドマイド治療が可能な施設、入手方法、価格等に関する数百に上る問い合わせや相談が医師や薬剤師、患者さんからあり、必死の問いに一日も休むことなく答え続けてきました。
 残念ながら、治療機会を得られず亡くなられた方も多くおられ、そのことを考えると手放しには喜べませんが、しばしサリドマイドが承認される安堵をかみしめたいと思います。

 承認条件であった「安全管理方策」構築においては、サリドマイド被害者団体いしずえの方々にご協力いただきました。ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。

 今後は、承認後スムースに医療現場にサリドマイド治療が導入されるよう、努力します。特に、新たに導入される「安全管理手順」が、患者さんやその家庭、医師や薬剤師の先生方、看護師さんなど医療現場に速やかに浸透するよう、患者への広報はもとより、血液内科や薬剤師の先生方へは学会のご協力も得て広報し、安全に適切にサリドマイド治療がなされるよう、将来にわたって取組んでまいります。

 また、長い期間個人輸入による治療が続いたため、輸入薬から承認薬へ移行する施設、患者さんにとっては、あらゆる面でのギャップが否めません。それらが最小限に食い止められ、混乱なく移行されるよう、また薬価等においても配慮が得られるよう努力します。

 さいごに、厚生労働省安全対策課の方々には、難しい仕事に取り組み、「骨髄腫の患者さんのために」と、真摯に私たちに向き合ってくださったこと、ありがとうございました。審査管理課の方々には、困難な審査業務に取組んでいただき、ありがとうございました。

 サリドマイド承認に関係されたすべての方々に心から感謝しています。長い間ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。


2008年10月3日
日本骨髄腫患者の会 代表 堀之内みどり
副代表 上甲 恭子

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