:サリドマイド 医薬品第二部会審議結果を受けて

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サリドマイド 医薬品第二部会審議結果を受けて

konishi 2008.08.27

サリドマイド
医薬品第二部会審議結果を受けて


 8月27日、サリドマイドの承認について厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 医薬品第二部会において、 安全管理の方策について「サリドマイド被害の再発防止のための安全に関する検討会」および医薬品等安全対策部会で 検討が行われ適正に実施されることを前提に、多発性骨髄腫の治療薬として承認して差し支えないという結論がでました。
 なお、安全管理の方策の適正な実施、文書によるインフォームドコンセント、全例調査など3つを承認条件とするべきとされています。
 安全管理の方策については、上記2つの会議で結論がでた後、薬事分科会で承認の可否が検討されます。これが最後のハードルです。

 日本骨髄腫患者の会は1999年から、サリドマイドの早期承認と安全管理システムの構築を国に要望し続けてきました。医薬品第二部会通過の報を受け、ようやくここまでたどり着いた、という気持ちです。

 医薬品第二部会の結論のとおり、残された課題は安全管理システムの完成だけです。安全管理に関する検討会が8月26日からスタートし、当会も委員として参加しています。

 本検討会で議論されている安全管理システムの基準書案は、承認申請提出以降、当局の指導の下メーカーが作成した安全管理システムを、被害者団体いしずえ、当局安全対策課、メーカーそして当会とで膝を突き合わせて検討し、合意に至ったものです。
 安全管理システム作成のプロセスでは、闘病中の患者さんに協力をしていただいての試運転も実施しました。
 有識者の先生方を交えた本検討会が安全管理システムの最終確認作業です。

 

 日本骨髄腫患者の会は、検討会を通じて安全管理システムがより適切なものとなり、サリドマイドで治療する多発性骨髄腫患者のQOLが高まることを希望しています。
 しかし、検討会における議論は速やかである必要もあります。議論がいたずらに長引き、承認が遅れるのは本末転倒です。机上の検討では結論がでにくい論点があるならば、第三者評価機関による運用開始後の検証・検討課題とするなどの現実的な対応がとられることを期待しています。

 関係のみなさまと協力し、一日も早く適切な安全管理システムが完成し承認の日を迎えられるよう、その日を待ち望みながら命を落とされた多くの患者さんとそのご家族の無念を胸にさらに努力をする所存です。


2008年8月27日
日本骨髄腫患者の会 代表 堀之内みどり
副代表 上甲 恭子

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