:IMWG骨髄腫ガイドラインより 多発性骨髄腫における椎骨拡大術の役割

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IMWG骨髄腫ガイドラインより 多発性骨髄腫における椎骨拡大術の役割

konishi 2010.06.20 [海外情報]

骨髄腫ガイドラインより

 

 

※翻訳文をご覧になる場合は、必ず「翻訳文献の扱いについて」をご覧ください。

 

 

国際骨髄腫ワーキンググループIMWG)合意声明:
多発性骨髄腫における椎骨拡大術の役割1
 
ポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate:PMMA)の低侵襲経皮的注入の役割についてのIMWGの勧告を以下に示す。なお、本療法は、1980年代後半にフランスで、「椎体形成術」として最初に開発された。その目的は、有痛性脊椎圧迫骨折の治療のためである。
 
<以降は、翻訳文と原文をご覧ください>
 
 

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【日本の顧問医師のコメント】
まだ日本では骨髄腫による圧迫骨折の治療として一般的ではない椎体拡張術ですが,普及を待ち望んでいる方も多いと思います。骨粗しょう症の治療として行われている施設もあるようですが,このIMWGの声明が出されたあとに,衝撃的な論文が発表されました。骨粗鬆症に対する椎体形成術と“椎体形成術をしているフリ”では1週間後から6か月後までの痛みやQOLに差がなかったというものです(下記文献1,2)。これが骨髄腫にも当てはまるとすると日本で普及する前に行われなくなってしまうかもしれません。あるいは,この2つの論文では直接PMMAを注入する椎体形成術(vertebroplasty)が用いられていますので,バルーンを使った椎体形成術(balloon kyphoplasty)は有効と判断されるかもしれません。いずれにしましても今後の経過から目が離せません。
 
1) Buchbinder R, et al., A Randomized Trial of Vertebroplasty for Painful Osteoporotic Vertebral Fractures, N Engl J Med 2009; 361: 557 - 568.
2) Kallmes DF et al., A Randomized Trial of Vertebroplasty for Osteoporotic Spinal Fractures, N Engl J Med 2009; 361: 569 - 579.