:イレッサ訴訟の報道にふれて

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イレッサ訴訟の報道にふれて

joko 2011.01.20

 

 イレッサ訴訟の新聞記事等を目にします。同じがんの患者として医薬品の副作用によってお亡くなりになられた方は本当にお気の毒だと思っています。 
 
 イレッサ訴訟について、疑問に思うのは、イレッサは今でもがん患者にとって有効な薬であるのに、承認した国が責任を問われていることです。
  報道などによると、添付文書に間質性肺炎の副作用を記載して注意喚起しているのに、裁判所の所見では、記載が目立っていなかったなどの理由で国に責任があるとされているそうです。
 
 がんの治療薬には常にリスクがあります。その上で医師も患者も薬の使用を決めるべきで、治療の現場では日常的に行われています。医師も読まなければいけない添付文書に書かれてある注意なのに、どうしてその承認がおかしいと言われているのか、記載の場所にばかりフォーカスがあたっていますが、患者と主治医のコミュニケーションの問題でもあるように思います。
 
 このようなことで薬の承認が違法となれば、骨髄腫の治療薬として再承認されたサリドマイドのようなハイリスクな薬をもう2度と国は承認できなくなるのではないか、それにより、治療が受けられなくなる患者のことを考えていただいているのかと懸念しています。
 
 私たちは、過去に薬害を起こした薬、サリドマイドを再承認してもらうために大変な苦労をしました。またこの先も、承認を待っている治療薬や治療法があります。これらの薬や治療法のリスクとベネフィットを医師と注意深く相談しながら私たちは命を繋いでいきます。
 
 そのことを思えば、今回のイレッサ訴訟では一部のマスコミの意見に流されず、裁判所の方にもがん患者や医療に与える影響について考えていただきたいと節にお願いしたい気持ちです。
2011/01/20
日本骨髄腫患者の会
 
 
本件連絡先
日本骨髄腫患者の会 副代表 上甲 恭子
メール owner-imfjapan@myeloma.gr.jp
電話090-6908-2189(平日10時~16時) 
 
 

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